教育

国防とは何か―日本国憲法の「国」防力

毎日新聞が憲法改正を煽るような編集委員岩見氏の署名コラムを掲載している。 作家の野坂昭如は、憲法改正について、 <自衛隊を国防軍に改める動きがある。名などどうでもいい。日本の何を守ろうとしているのか。小さな島国において軍事で守ることが出来る…

教員の時間外手当について考える

毎日新聞によれば、文部科学省は負担が大きい教員に手当の増額を検討しているという。 授業が成立しにくい教育困難校の校長や部活動顧問ら負担が大きい教員に対し、文部科学省は手当増額の検討を始めた。公立小中学校を対象に、部活動手当は倍増させ、現在最…

「都教委=中国政府」説を展開してみますw

1.東京都の教育委員会が越権行為かつ営業妨害? 東京都教育委員会が、検定に合格している特定の会社(実教出版)の教科書を採用しないように圧力をかけている。みなさんご存じのように、高校の教科書は、各学校ごとにどの教科書を採用するかを決めて良いこ…

自虐史観ではなく反戦史観

メモとしてツイッターでつぶやいたことをまとめておきます。1. 歴史認識で安倍首相と橋下市長は同じだという見方があるが微妙に違う気がする。橋下市長は「どこの国も悪いことをやったという歴史的事実を明らかにする」というナイーブな立場だが、安倍首相…

いじめ防止対策推進法への批判的コメント(2)―「いじめ」は本当に行ってはならないものなのか

今日は、かなり挑発的な副題をつけてみた。そのまえに、まず昨日の投稿を思い出してほしいのだが、私は、いじめを定義することは問題の解決につながらないと考えており、学問的にはいざ知らず、実践的には定義は重要ではないと考えている。だから、副題でひ…

いじめ防止対策推進法への批判的コメント(1)―いじめを定義することの問題

今回から何回かに分けて、自民、公明、民主、維新、みんな、生活が提出し、衆議院を通過した「いじめ防止対策推進法」のどこに問題があるのかを、教育実践に密接に関わる分野、とくに生活指導や教科外の領域で仕事をしている教育学研究者の立場から批判的に…

「あいさつ」の教育学

「あいさつ」をテーマにした道徳の授業 先日、教職大学院の道徳教育関連の授業でのこと。 ティーム・ティーチングで一緒に授業をしているもう1人の先生を主たる教員として、「朝のウォーキング時に出会う人とのあいさつ」を内容とした新聞の読者投稿欄の記…

そもそも道徳の授業が行われていないことが問題なのか

さて、先日も道徳の教科化についての疑念を呈したところですが、本日は、もう少し違った視点から、道徳の授業の問題を論じてみたいと思います。 1.道徳の授業を行えば道徳性は向上するのか 人生経験もそれほど豊かではなく、他者との交流も不十分である私…

道徳の教科化は道徳教育の劣化を招く

自民党が次々と、教育の条理に反することをやってくる。条理に反するだけでなく、科学に反するから、現場が混乱するだけで、子どもたちの成長・発達にとってマイナスなことが多いのだが、いずれにしても、その基本骨格は、ほぼ、「教育の中央集権」と、「教…

自民党の教員養成政策がダメすぎる件

毎日新聞がいくつか自民党の教員養成政策について報じている。これがあまりにひどいので、久しぶりだが、ブログに整理しておきたい。まず記事をいくつか引用しておこう。 教員希望者に「准免許」を与えて学校に配属、「数年の試用期間」を経た上で「本免許」…

体罰で自殺した学校と体罰があっても自殺がない学校に境界線はあるか

自殺が起こらなければよいということではなく、体罰は教育上有効ではないどころか有害だし、教育力の点からしても稚拙であるということは大前提である。しかし、今回は、自殺防止という観点から見ても、橋下市長の考え方がいかに間違っているかを指摘してお…

公開シンポジウム「いま、『いじめ』問題を考える」に参加した感想

愛知教育大学主催の「いま『いじめ』問題を考える」という公開シンポジウムに参加してきた。忙しいのでメモとして書き留めておく。後々、加筆修正するとして、とりあえず書き殴り。 基本的に、フロアから3人の子どもを持つ母親から教師の人権感覚を問う意見…

学校におけるルールについての考え方

先日、大学の授業で話したのだが、学校で、どこまでルールを設けるべきかということを再考すべき時期なのではないだろうか。これに関して、授業でおこなったコメントを転載しておく。 1 問題行動はルールによって作られる ある行動が問題行動かどうかという…

人の足を引っ張るんじゃなくて、自分のできることをやろうよ

先日、知人の紹介で、レイバーネットTVというものに出演した。テーマは、大阪の橋下知事。維新の会とともに、教育基本条例などというとんでもない条例を提出したのだが、番組の中で私に与えられた役割は、なぜ橋下知事の支持率が高いのかという分析だった…

いわれない教師バッシング―なぜ日米で生じるのか

Democracy Now!のサイトで、下記のニュースを見つけた。 今日が公開初日の新作ドキュメンタリー映画American Teacher (『アメリカの教師』)が、苛酷な労働時間と低賃金に生活上の大変な犠牲を強いられながらも自らの愛する職業を続けようと苦闘する4人の教…

いったい日本をどこに連れて行きたいんだ?

自民党を中心に、自由社や育鵬社の歴史修正主義の歴史教科書、基本的人権や国民主権を蔑にする公民教科書の採択運動が展開されている。 歴史修正主義に共鳴する首長が教育委員にそのシンパを入れて多数派工作を図ったりしながら、全国でも一部の自治体で採用…

ハシズム分析(5)―弱者が愛国心に飛びつく心理

ハシモトが庶民感情を投影しているとするなら、日の丸・君が代強制を主張するハシモトを支持する庶民感情とは何かを明らかにするという課題が残されていた。さて、やや遠回りしたが、ここでその問題を論じてみたい。まず、貧困であれば貧困であるほど、自信…

ハシズム分析(4)―富の再集中をめざすネオリベとネオコン連合

ネオリベラリズムの歴史と本質については、デビッド・ハーヴェイの分析が参考になる。新自由主義―その歴史的展開と現在作者: デヴィッドハーヴェイ,David Harvey,渡辺治,森田成也,木下ちがや,大屋定晴,中村好孝出版社/メーカー: 作品社発売日: 2007/02/01メ…

ハシズム分析(3)―他者を罵倒して自分を上に見せるための方法

他者を罵倒して自分の方が上と見せる(思い込む)ための方法について述べるためには、ネット掲示板等での罵倒合戦を見ればわかりやすい。ネット掲示板やブログのコメント欄での罵倒合戦には、「おまえもな〜」等の相手を侮辱したり感情を逆撫でするための言…

ハシズム分析(2)―低い自己肯定感

さて、どのような世俗の人々がハシモトを生み出したのであろうか。それは何よりもまず、自己肯定感の低い現代日本人であろう。日本の子どもたちが自己肯定感が低いというのは、従来から言われてきたことで、様々なデータでも裏付けられている。たとえば、直…

国際感覚の欠如した大阪府―天下の愚法「君が代起立条例」可決

先日、憲法における基本的人権と公務員の地位に関する視点から、大阪橋下府知事と大阪維新の会の愚行を批判しておいた。本日は、日本国憲法だけでなく、世界の到達点から見ていかに時代遅れのものであるかを明らかにしておきたい。ユネスコ(国連教育科学文…

放射能の雨

東電の原発事故があったあと、ある記憶が鮮明によみがえってきた。それは、小学校の低学年の時、教室の窓から見た雨の景色だ。大粒の雨が妙に白く光っているのを見て、小学生同士で、「放射能の雨だ」などと言い合っていた。白く光って見えるのと放射能は関…

本物の強い指導とは何か?

はじめに 現在、教育現場では、「強い指導」が強調されている。 このことが意味するのは、「子どもをピシッとさせる」、「子どもにきちんと教師の言うことを聞かせる」、「学校のルールに従わさせる」といったことだろう。 中央集権的・強権主義的教育政策へ…

大阪維新の会は橋下ファシスト党か?

橋下大阪府知事がまたやらかしてくれました。橋下知事と、その人気にあやかって議員になって給料をもらいたい人たちが、とんでもない条例を議会に提出するという記事が飛び込んできた。参考までに読売の記事を抜粋しておく。 大阪府の橋下徹知事は17日、入…

ポスト・フクシマの教育学(7)―ため込む学びからの脱却を

あ〜あ。またアップロードするところでネットが上手くつながらず、書いた記事全部が消えちまった。ショック。ということで渾身の大作だったのですが、端折って書きます。 福島の住民の動きを見ていて、これは教育の問題だと思ったことがある。 福島の人々の…

ポスト・フクシマの教育学(6)―メディアリテラシー(その2)

さて、今回はメディアリテラシー(その1)の続きのお話前回は、新しいメディアである、TwitterやSNS(Facebook)、Ustream やニコニコ動画等の可能性について論じました。今回は、その落とし穴について論じつつ、どのようにしてそれらを有効に利用すべきな…

日本のリーダー像―甲斐性がないのに威張るのは得意?

さて、福島の放射能汚染で子どもと若者の命をどう守るかが緊急かつ死活的問題になっている。すでに本ブログでも子どもの年間被曝許容量の欺瞞で論じたように、文部科学省が空中放射線量のみから、放射線管理区域の4倍にも達する年間20mSvを子どもにも当ては…

教育の国際化と英語教育

毎日新聞がとても良い記事を書いている。記者の目:英語の小学校必修化に異議あり=斉藤信宏という記事だ。記者の記述で気に入ったところを抄録しておく。 4月から小学5、6年生で英語が完全必修化された。国際化時代に対応するための方策と聞いたが、私は…

子どもの本屋さん&スローフードなお店

今日は家族全員で電車でおでかけ。電車に揺られてまずは千種駅へ。まず、千種駅から徒歩5分ぐらいのところにあるメルヘンハウスという本屋さんに行った。中学生以下ぐらいの子どもの本を30000冊も品揃えしてあり、ジャンルや出版社ごとなどおもしろい陳列で…

武道と人格 2011年度編

武道が人格形成によいという神話を崩すため、武道にまつわるニュースを掲載していく。なお、ニュースを発見するたびに追記していくので、ときどきこのニュースは更新されることをご了承いただきたい。○後輩の首絞め気絶させる=携帯で動画撮影、柔道名門高−…