2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ポスト・フクシマの教育学(4)―フマニスムスに回帰せよ

現在の政治だけでなく文部行政も人間中心でない。 このことは、一つ前の記事子どもの年間被曝許容量の欺瞞」で書いたとおりだ。これに関連して、以下のMSN産経ニュースの記事を読んで欲しい。 文部科学省の田村厚雄防災環境対策室長は20日未明、福島県…

子どもの年間被曝許容量の欺瞞

子どもの成長と健康に責任を持つ文部科学省が、子どもの被曝量を年間20ミリsvにするという暴挙に出た。すでにこの問題が俎上に載せられた2週間前に、このブログでも「子どもの年間被曝許容量を大安売り」として批判しておいた。 今日は、この20ミリsvという…

ポスト・フクシマの教育学(3)―一人ひとりの判断力を育てる教育

今回ほど、一人ひとりの判断力を養うことの重要性が痛感されたことは無かったのではないか。被災地の対象的な二つの事例を比較することから検討をはじめてみたい。まず小中学生全員が助かったという釜石の話だ。 一つは「想定を信じるな」。市教委とともに各…

学生と一緒にFD(Faculty Development)

本日は、学生と一緒に大学の授業を変えるというFDを企画・運営。沖縄から大学教育改革で有名な浅野誠さんに来ていただいた。まずはじめに、浅野さんが授業づくりに取り組むようになった歴史を語ってもらった。高校の時に、みんなが寝ている授業に対して、…

事故から何を学ぶのか

といっても、原発事故ではなく、居眠り運転のクレーン車が突っ込んできて小学生6人が亡くなった事故の話。まだ、事故を起こした運転手の状況などが伝わってきていないので勘違いがあればお許し願いたい。まずはじめに、子どもを持つ親としては、突然我が子…

原発事故の20年後の状況―低放射線での継続的被曝を考える

原発事故による放射線被曝の被害について正しく理解する必要がある。まず、トンデモな発言をしている学者に典拠する人がいるだろうから、まずそれに釘を刺しておきたい。東京大学の稲恭宏という人が、今回の福島原発の事故を受けて講演を行っている。この人…

原発事故をまた起こす予定のトンデモ政府

政府が原発賠償のための新機構の設立を検討しているという。今回、東京電力が賠償しきれないことをうけての対応だとおもう。しかし、ちょっと考えただけで、この機構の設立の内容があり得ないものであることが分かる。それは記事の次の部分だ。 賠償策原案に…

悪貨は良貨を駆逐する―教育実践の多様性のために

本日、生活指導のサークルで話題になったことは、喩えは良くないが「悪貨は良貨を駆逐する」ということだと考えた。たいていの学校では、同じ学年に複数クラスがあるから、当然複数の担任がいる。そういうところで、次のようなこと想像してみてほしい。3年…

生涯競争が続いたら生きる希望はなくなるわ

韓国の有名な理工系大学で、自殺が相次いでいるという。「相次ぐエリートの自死 韓国の大学 懲罰成績制が原因か」によれば、 韓国で最も優秀な理工系の学生が集まるといわれる国立韓国科学技術院(KAIST)で、今年に入って4人の学生が自殺した。教育熱…

ポスト・フクシマの教育学(2)―生活者の専門性を育てる

内田樹さんが、「阪神・淡路大震災との違いは「人災」であること」(中央公論2011年5月号)で、今回の原発事故に関連して、職業の特性について語っている。それを整理するとおよそ次のようになるだろう。政治家 原子力開発技術がある種の「外交カード」たり…

原発がいらないこれだけの理由(ワケ)―まとめ

はっきり言って原発は不要だ。あちこちで断片的に発言したのでここで整理しておきたい。 まず最初にして最大の理由は、電力は原発がなくても足りている、という事実だ。 もちろん、忌野清志郎が「電力は余ってる〜♪」と歌っているからではない。彼はただ単に…

原発の今後―愛知県と名古屋市の場合

菅総理は脱原発を行う気はないらしい。一時、脱原発的な発言もあったが、原発推進派の巻き返しがあったのだろう。やはり原発利権はそれだけ強固で、民主党も直接にか、経営者団体を通して間接的にか、その利権に関与していると疑わざるを得ない。今回の原発…

都知事選から見る情報弱者

若者が「老人は情報弱者だ」という発言が散見される。今回の都知事選挙では、年齢層が上に行くほど石原慎太郎の支持率が高かったようだ。そこだけ見ると、高齢者は既得権益集団の利益を代表しているマスメディアの情報にもっとも影響されているように見える…

あなたが言いますか?

昨日の東京都知事選挙で、石原慎太郎が圧勝してテレビで 日本はこれから大変だ。我欲を抑えて、自分の生活をつましくしないと日本がもたない。日本人全体がスクラムを組みながら肩を組んでやろう http://www.yomiuri.co.jp/election/local/2011/news1/201104…

もう一つの人災―貧困社会

地方選挙での民主党惨敗を受けて、野党が菅政権に攻勢を強めているという。Asahi.comの記事によると、 4兆円規模の第1次補正予算案を巡る与野党協議が11日始まった。自民党は早期成立に協力する姿勢を示す一方、子ども手当など民主党の看板政策の撤回を…

日本人って???

一昨日は全国で反原発のデモがあった。芝公園は2500人ぐらい。高円寺は1万5000人と言われている(訂正:主催者発表1万人、警察発表2000人。まあ動画で見る限り2000なんてことはありえないが)。僕が参加した名古屋は500人もいなかった…

子どもの年間被曝許容量を大安売り

驚くべきニュースが飛び込んできた。「校庭活動に放射線基準…文科省、福島県に提示へ」という記事によれば、 基準は、児童生徒の年間被曝(ひばく)許容量を20ミリ・シーベルト(2万マイクロ・シーベルト)として、一般的な校庭の使用時間などを勘案して算…

4月10日は全国で反原発・脱原発のデモのオン・パレード

明日4月10日(日)は、全国で反原発・脱原発のデモ・パレードが行われる模様。いろんな団体のいろんなデモがある。この情勢なので、警察も取り締まりにくいとは思うが、平和裏にデモが成功することを祈りたい。あとは、大手メディアがこれらの行動をどう採…

もう一つの被曝問題―医療による被曝

放射線というのは本当にやっかいなものだ。目に見えないし、線量が強烈でなければ、人体にすぐに影響が現れない。だから、放射線の危険性についてきちんと学んでいない人は「安全だ」と言われれば「そんなものか」と思ってしまう。これは人間だけではない。…

やっぱりダメダメ宮城県教育委員会

金スマで尾木ママに痛烈に批判されて抗議が殺到したという宮城県教育委員会。弁解に躍起になり、TBSに抗議した模様。その結果、TBSの「金スマ」のページにも教育委員会が正しい対応をしたかのような紹介文を掲載させることに成功している。 今回の放映…

震災さえも自己利益に利用する財界

経済同友会の桜井代表幹事が、新潟の「柏崎刈羽原子力発電所の休止炉を早急に再稼働するべきだ」と主張しているらしい。 夏場の電力不足を回避するため、新潟県の柏崎刈羽原子力発電所の休止炉を早急に再稼働するべきだと指摘した。 「桜井同友会代表幹事、…

ポスト・フクシマの教育学(1) 高等教育の予算配分の問題

フクシマの出来事の原因で教育に関係することはたくさんあると思うが、今日は貧困な高等教育予算、競争的資金の弊害、研究の一極集中の問題を考えてみたい。多くの人は、大学の教員になれば研究に必要な研究費は配分されていると思っているかもしれないが、…

平野啓一郎の「個人」と「分人」の間―リキッドモダン社会の教育を考えるためのメモ

作家の平野啓一郎さんが、Twitterでおもしろい議論をしていた。リキッドモダン社会におけるアイデンティティとコミュニティの問題を考えるためにとても参考になりそうなので、ちょっとやりとりを転載しておく。 平野:自粛ブームは、分割不可能な「個人」と…

孫正義氏の100億円+α寄附

昨日、ソフトバンク社長の孫正義さんは、Ustreamとニコニコ動画を通した生番組の中で、個人で100億円+引退するまでの役員報酬全額を震災復興のために寄附すると発表した。何か思惑があるんじゃないか、などと懐疑的な見方があるかもしれない。しかし、この…

震災で放送自粛となった映画をDVDで観る

3月12日に放送予定だった映画『ゴールデンスランバー』(原作:伊坂幸太郎)を楽しみにしていたのだが、舞台が仙台ということだからだろうか、急遽『県庁の星』か何かに差し替えられた。しかしその差し替え映画も、未曾有の地震・津波被害が明らかになり…

エコロジカルな支援

私も所属している教育研究団体のメンバーである岩手県の教員から、「使いさしでもよいので鉛筆や消しゴムを送って」という声が届いている。新品でなくても良いというのがいい。学校でも、筆箱を忘れた子どもたちは、引き取り手のない落とし物の中から鉛筆や…

ポスト・フクシマ教育学への序文(未定稿)

まだ事態は予断を許さない。だから、ポスト・フクシマと呼ぶには時期尚早かもしれない。しかし、オール・ジャパン、挙国一致の掛け声に隠れて、既得権益ネットワークが着々とプレ・フクシマの状態への回帰を画策している中では、ことが終わってからではなく…

3年B組金八先生ファイナルの感想

金八先生の最終回スペシャルを録画していたのを見た。初代3B放送のときに自分もちょうど3Bだったこともあり、書ききれないほど感慨深いものがある。知人も書いていたが、好き嫌いの別れる金八先生だが、「ありえないから嫌い」という意見にだけは反論し…