2011-01-01から1年間の記事一覧

学校におけるルールについての考え方

先日、大学の授業で話したのだが、学校で、どこまでルールを設けるべきかということを再考すべき時期なのではないだろうか。これに関して、授業でおこなったコメントを転載しておく。 1 問題行動はルールによって作られる ある行動が問題行動かどうかという…

国にもライフサイクルがある?

10月中旬に、協定校であるハノイ国立教育大学の創立60周年記念式典とそれに併せて開催されたアジアにおける教員養成改革に関する国際会議に参加すべく、ベトナムに行った。会議や式典の様子については、勤務先のニュースレターに寄稿したので興味がある…

人の足を引っ張るんじゃなくて、自分のできることをやろうよ

先日、知人の紹介で、レイバーネットTVというものに出演した。テーマは、大阪の橋下知事。維新の会とともに、教育基本条例などというとんでもない条例を提出したのだが、番組の中で私に与えられた役割は、なぜ橋下知事の支持率が高いのかという分析だった…

いわれない教師バッシング―なぜ日米で生じるのか

Democracy Now!のサイトで、下記のニュースを見つけた。 今日が公開初日の新作ドキュメンタリー映画American Teacher (『アメリカの教師』)が、苛酷な労働時間と低賃金に生活上の大変な犠牲を強いられながらも自らの愛する職業を続けようと苦闘する4人の教…

日本の未来がかかっている―日本を滅ぼす知事たちの名前を記憶しておこう

関東地方の8人の知事たちが、食品の放射線基準値が「厳し過ぎ」として、見直しを要望しているという。 東京、千葉、茨城、栃木、群馬5都県の知事は28日、枝野幸男官房長官と蓮舫・食品安全担当相を訪ね、現状の暫定基準値は「非常に厳しい基準だ」として…

いったい日本をどこに連れて行きたいんだ?

自民党を中心に、自由社や育鵬社の歴史修正主義の歴史教科書、基本的人権や国民主権を蔑にする公民教科書の採択運動が展開されている。 歴史修正主義に共鳴する首長が教育委員にそのシンパを入れて多数派工作を図ったりしながら、全国でも一部の自治体で採用…

嫌韓フジテレビ抗議デモを考える

俳優の高岡某のツイッター騒動以来、盛り上がっていた韓流ドラマ放映是非問題。昨日、フジテレビに抗議するデモが行われたという。この問題は、最初の発言からネットで炎上し、芸能人のナイナイ岡村氏やビートたけし氏らが「いやなら見なければ良い」と発言…

久々のトレーニング

5月18日に喉が痛くなってから、そこから炎症が鼻へ、そして気管支へと上下に広がっていった。とくに咳はなかなか収まらず、2週間は夜まともに眠れなかった。その後も、眠れはしたものの咳は続き、仕事にならないので、仕方なく6月14日に病院に行き、…

ハシズム分析(5)―弱者が愛国心に飛びつく心理

ハシモトが庶民感情を投影しているとするなら、日の丸・君が代強制を主張するハシモトを支持する庶民感情とは何かを明らかにするという課題が残されていた。さて、やや遠回りしたが、ここでその問題を論じてみたい。まず、貧困であれば貧困であるほど、自信…

ハシズム分析(4)―富の再集中をめざすネオリベとネオコン連合

ネオリベラリズムの歴史と本質については、デビッド・ハーヴェイの分析が参考になる。新自由主義―その歴史的展開と現在作者: デヴィッドハーヴェイ,David Harvey,渡辺治,森田成也,木下ちがや,大屋定晴,中村好孝出版社/メーカー: 作品社発売日: 2007/02/01メ…

ハシズム分析(3)―他者を罵倒して自分を上に見せるための方法

他者を罵倒して自分の方が上と見せる(思い込む)ための方法について述べるためには、ネット掲示板等での罵倒合戦を見ればわかりやすい。ネット掲示板やブログのコメント欄での罵倒合戦には、「おまえもな〜」等の相手を侮辱したり感情を逆撫でするための言…

ハシズム分析(2)―低い自己肯定感

さて、どのような世俗の人々がハシモトを生み出したのであろうか。それは何よりもまず、自己肯定感の低い現代日本人であろう。日本の子どもたちが自己肯定感が低いというのは、従来から言われてきたことで、様々なデータでも裏付けられている。たとえば、直…

ハシズム分析(1)―ハシモトは現実の矛盾が生み出したモンスター

君が代起立強制条例を作った大阪の橋下府知事と大阪維新の会。彼らの意識と行動を分析しながら、その支持率の高さも含めた日本の病理を、何回かにわたって明らかにしてみたい。初回は、批判の基本的構えについて論じてみたい。以下、橋下徹の幼児的万能感に…

国際感覚の欠如した大阪府―天下の愚法「君が代起立条例」可決

先日、憲法における基本的人権と公務員の地位に関する視点から、大阪橋下府知事と大阪維新の会の愚行を批判しておいた。本日は、日本国憲法だけでなく、世界の到達点から見ていかに時代遅れのものであるかを明らかにしておきたい。ユネスコ(国連教育科学文…

放射能の雨

東電の原発事故があったあと、ある記憶が鮮明によみがえってきた。それは、小学校の低学年の時、教室の窓から見た雨の景色だ。大粒の雨が妙に白く光っているのを見て、小学生同士で、「放射能の雨だ」などと言い合っていた。白く光って見えるのと放射能は関…

国民不在の政争―内閣不信任案提出に思う

内閣不信任案を出している側は、いかにも「国難を乗り切るためには菅内閣ではダメだ」というような理由を述べている。でも、これは本音ではないだろう。なぜなら、この間の菅政権の対応に代わるどのような案を持っているかがちっとも聞こえてこないからだ。…

退路を立って政策立案せよ―生活保護給付抑制に思う

生活保護受給者が増えているので、財政負担を軽減するために、生活保護給付を抑制しようとする動きが急なようだ。以下、毎日新聞の記事を手がかりに、この問題の解決の在り方について考えてみたい。現在の政府の政策は、毎日新聞の記事のタイトルにあるよう…

本物の強い指導とは何か?

はじめに 現在、教育現場では、「強い指導」が強調されている。 このことが意味するのは、「子どもをピシッとさせる」、「子どもにきちんと教師の言うことを聞かせる」、「学校のルールに従わさせる」といったことだろう。 中央集権的・強権主義的教育政策へ…

読書ノート:グードルン・パウゼヴァング『みえない雲』

みえない雲 (小学館文庫)作者: グードルンパウゼヴァング,Gudrun Pausewang,高田ゆみ子出版社/メーカー: 小学館発売日: 2006/11/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (11件) を見る作者は、チェコ生まれで戦後西ドイツに移住した人…

国家公務員給与削減に妥協する連合系組合

国家公務員にはスト権がない。その代替措置として、人事院が置かれている。この人事院が最近、公務員の労働条件を守る方向でなく、政府の下請けのように、率先して労働条件を悪化させる勧告を行ってきた。だから人事院はほとんど代替措置にならなくなってき…

温暖化と放射能垂れ流しは海洋生物の殺戮

たまたまNHKで太地町のくじら漁の番組を見ていた。 シーシェパードが地元漁民を挑発する言葉があまりに汚いので驚愕。これをみていると、シーシェパードは、とにかく日本の漁師を怒らせ、形相で暴言を吐かせてそれを撮影し、いかにも野蛮人がやっているよう…

大阪維新の会は橋下ファシスト党か?

橋下大阪府知事がまたやらかしてくれました。橋下知事と、その人気にあやかって議員になって給料をもらいたい人たちが、とんでもない条例を議会に提出するという記事が飛び込んできた。参考までに読売の記事を抜粋しておく。 大阪府の橋下徹知事は17日、入…

ポスト・フクシマの教育学(7)―ため込む学びからの脱却を

あ〜あ。またアップロードするところでネットが上手くつながらず、書いた記事全部が消えちまった。ショック。ということで渾身の大作だったのですが、端折って書きます。 福島の住民の動きを見ていて、これは教育の問題だと思ったことがある。 福島の人々の…

ポスト・フクシマの教育学(6)―メディアリテラシー(その2)

さて、今回はメディアリテラシー(その1)の続きのお話前回は、新しいメディアである、TwitterやSNS(Facebook)、Ustream やニコニコ動画等の可能性について論じました。今回は、その落とし穴について論じつつ、どのようにしてそれらを有効に利用すべきな…

停めなくてもいいんだけど

菅総理が浜岡原発の停止要請をしたというのがニュースになっている。これをうけて、池田某氏のように、地域住民の命よりも株主の権利を優先するようなツイッターやブログもあふれている。たしかに手続き的には、いろいろと問題があるかもしれない。しかし、…

日本のリーダー像―甲斐性がないのに威張るのは得意?

さて、福島の放射能汚染で子どもと若者の命をどう守るかが緊急かつ死活的問題になっている。すでに本ブログでも子どもの年間被曝許容量の欺瞞で論じたように、文部科学省が空中放射線量のみから、放射線管理区域の4倍にも達する年間20mSvを子どもにも当ては…

目的達成のためならどんな手段をとっても良いのか―オサマ・ビンラディン殺害に思う

アメリカがオサマ・ビンラディンを急襲し、武器を持っていないのに殺害し、勝手に海に遺体を流したというニュースが入っている。まったく写真が掲載されないうえ、遺体を海に流したとなると、第三者に本人かどうかを確認する術がないが、今回は、とりあえず…

教育の国際化と英語教育

毎日新聞がとても良い記事を書いている。記者の目:英語の小学校必修化に異議あり=斉藤信宏という記事だ。記者の記述で気に入ったところを抄録しておく。 4月から小学5、6年生で英語が完全必修化された。国際化時代に対応するための方策と聞いたが、私は…

子どもの本屋さん&スローフードなお店

今日は家族全員で電車でおでかけ。電車に揺られてまずは千種駅へ。まず、千種駅から徒歩5分ぐらいのところにあるメルヘンハウスという本屋さんに行った。中学生以下ぐらいの子どもの本を30000冊も品揃えしてあり、ジャンルや出版社ごとなどおもしろい陳列で…

憲法記念日に思う

今日は憲法記念日。名古屋市公会堂で沖縄問題を中心とした集会があった。まずはサンシンやエイサーの歌や演奏。その後、津田塾大学の教員を経た後、沖縄に在住して平和問題を発信し続けているダグラス・ラミスさんの講演だった。最初に広荑隆さんの『東京に…