原発・エネルギー

日本の未来がかかっている―日本を滅ぼす知事たちの名前を記憶しておこう

関東地方の8人の知事たちが、食品の放射線基準値が「厳し過ぎ」として、見直しを要望しているという。 東京、千葉、茨城、栃木、群馬5都県の知事は28日、枝野幸男官房長官と蓮舫・食品安全担当相を訪ね、現状の暫定基準値は「非常に厳しい基準だ」として…

放射能の雨

東電の原発事故があったあと、ある記憶が鮮明によみがえってきた。それは、小学校の低学年の時、教室の窓から見た雨の景色だ。大粒の雨が妙に白く光っているのを見て、小学生同士で、「放射能の雨だ」などと言い合っていた。白く光って見えるのと放射能は関…

読書ノート:グードルン・パウゼヴァング『みえない雲』

みえない雲 (小学館文庫)作者: グードルンパウゼヴァング,Gudrun Pausewang,高田ゆみ子出版社/メーカー: 小学館発売日: 2006/11/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (11件) を見る作者は、チェコ生まれで戦後西ドイツに移住した人…

停めなくてもいいんだけど

菅総理が浜岡原発の停止要請をしたというのがニュースになっている。これをうけて、池田某氏のように、地域住民の命よりも株主の権利を優先するようなツイッターやブログもあふれている。たしかに手続き的には、いろいろと問題があるかもしれない。しかし、…

日本のリーダー像―甲斐性がないのに威張るのは得意?

さて、福島の放射能汚染で子どもと若者の命をどう守るかが緊急かつ死活的問題になっている。すでに本ブログでも子どもの年間被曝許容量の欺瞞で論じたように、文部科学省が空中放射線量のみから、放射線管理区域の4倍にも達する年間20mSvを子どもにも当ては…

ポスト・フクシマの教育学(5)―メディアリテラシー(その1)

その1では、新しいメディアの可能性について、その2では新しいメディアの限界について論じることを予告して論じ始める。 人間の社会を形成しているのが人間である限り、人間の社会は人間の認識―世界・他者・自己に関する―に左右される。もちろん、何を認識…

ポスト・フクシマの教育学(4)―フマニスムスに回帰せよ

現在の政治だけでなく文部行政も人間中心でない。 このことは、一つ前の記事子どもの年間被曝許容量の欺瞞」で書いたとおりだ。これに関連して、以下のMSN産経ニュースの記事を読んで欲しい。 文部科学省の田村厚雄防災環境対策室長は20日未明、福島県…

子どもの年間被曝許容量の欺瞞

子どもの成長と健康に責任を持つ文部科学省が、子どもの被曝量を年間20ミリsvにするという暴挙に出た。すでにこの問題が俎上に載せられた2週間前に、このブログでも「子どもの年間被曝許容量を大安売り」として批判しておいた。 今日は、この20ミリsvという…

ポスト・フクシマの教育学(3)―一人ひとりの判断力を育てる教育

今回ほど、一人ひとりの判断力を養うことの重要性が痛感されたことは無かったのではないか。被災地の対象的な二つの事例を比較することから検討をはじめてみたい。まず小中学生全員が助かったという釜石の話だ。 一つは「想定を信じるな」。市教委とともに各…

原発事故の20年後の状況―低放射線での継続的被曝を考える

原発事故による放射線被曝の被害について正しく理解する必要がある。まず、トンデモな発言をしている学者に典拠する人がいるだろうから、まずそれに釘を刺しておきたい。東京大学の稲恭宏という人が、今回の福島原発の事故を受けて講演を行っている。この人…

原発事故をまた起こす予定のトンデモ政府

政府が原発賠償のための新機構の設立を検討しているという。今回、東京電力が賠償しきれないことをうけての対応だとおもう。しかし、ちょっと考えただけで、この機構の設立の内容があり得ないものであることが分かる。それは記事の次の部分だ。 賠償策原案に…

ポスト・フクシマの教育学(2)―生活者の専門性を育てる

内田樹さんが、「阪神・淡路大震災との違いは「人災」であること」(中央公論2011年5月号)で、今回の原発事故に関連して、職業の特性について語っている。それを整理するとおよそ次のようになるだろう。政治家 原子力開発技術がある種の「外交カード」たり…

子どもの年間被曝許容量を大安売り

驚くべきニュースが飛び込んできた。「校庭活動に放射線基準…文科省、福島県に提示へ」という記事によれば、 基準は、児童生徒の年間被曝(ひばく)許容量を20ミリ・シーベルト(2万マイクロ・シーベルト)として、一般的な校庭の使用時間などを勘案して算…

原発から何キロまで避難すべきなのか

テレビでさまざまな数値が出てきては、「安全です、安心です」と連呼されている。はたして信じて良いものか。そこで、ちょっとした計算をすることで、どの程度安全なのかわかるようにしてみたい。文部科学省では毎日2回「放射線量率」を公表している。公表…

平川克美「非常時の思想」を読む

立教大学の平川克美氏がブログで「非常時の思想」を書いている。「米や水やガソリンの買い占め」に批判的なまなざしをもっていた私は、これを読んで頭をガツンをやられた気がした。しかし、じっくり考えるとちょっとひっかかるところもある。確かに、一般市…

あいかわらず事故を過小評価したいんだね

今朝のNHKニュースでも、チェルノブイリとの違いを強調していた。記憶によれば下のような表にして違う違うと強調している。 チェルノブイリ 福島第一 原子炉 出力上昇 停止 核反応 臨界 熱崩壊 爆発 原子炉爆発 奥屋爆発 もちろん、福島原発は「臨界」事…

いまそこにある危機

内田樹氏のTwitter@levinassienを読んでて気づいたのだが、ネットのニュースを頻繁にチェックしないと、きわめて重要なニュースを見逃してしまう。今朝午前3時台のAsahi.comには、福島原発の事故がレベル6「相当」になったという記事「福島第一原発事故、…

動物は避難できない Animal can't evacuate.

福島では、多くの人が避難を強いられている。それも、かなり控えめな避難指示・屋内待避地域指定においてさえである。政府の避難指示・屋内待避はそれぞれ20kmとか30kmという範囲だが、これはかなり怪しい数字だ。米軍の80km圏立入禁止の方がかなり信憑性が…

東日本大震災の教訓(その5) 震災からナショナリズムへ(2)

ほとんど書き終わっていたのに、操作ミスでデータが消えてショックなので、ちょっと短くなることをご了承ください。今日の話のポイントは、東京消防庁のハイパーレスキュー隊に処分をちらつかせて放水作業をさせようとした海江田万里大臣と、それに抗議して…

東日本大震災の教訓(その4) 震災からナショナリズムへ(1)

災害とナショナリズムについて論じたいのですが、やや長くなるので2日に分けて記載します。今日はその第一回目。メディアの日本賛美を手がかりに考えてみます。今回の地震に関する報道の特徴として、日本を美化するものがやけに多く感じられました。「日本…

原発事故の補償は誰がすべきか

今回の原発事故での農産物、土地、病気等への補償額がいったいいくらになるのか想像もつかない。少なくとも素人目から見ても、兆の単位になることはほぼ間違いないだろう。今後、これらの補償金をどこから出すのかということが問題になってくることは間違い…

東日本大震災の教訓(その3) ヒューマン・エラーは仕様

本シリーズの「東日本大震災(その2)」でも書きましたが、今回の福島第一原発での事故は、もちろん天災に端を発してはいますが、人災の側面が非常に強いと言えます。そのほかにも、人災と言いうる状況は枚挙にいとまがありません。たとえば、2号機で燃料…

宴会自粛

関東東北大震災(東日本大震災)の影響で、公務員だけでなく民間企業でも、送別会シーズンにもかかわらず、宴会禁止の通達が出ているようだ。新聞などでは居酒屋の客が激減して経営が大変だというニュースも目にするようになった。さて、やや不謹慎かもしれ…

東日本大震災の教訓(その2) 批判に耳を傾ける

本日は、批判に耳を傾けることの重要性について書いてみましょう。今回の原発事故に関する情報収集をするなかで、私と同様に、少なからぬ人が、 日本共産党の議員による国会質問に関する記事 「チリ地震が警鐘 原発冷却水確保できぬ恐れ 対策求める地元住民…

東日本大震災の教訓(その1) 人間にはムダが必要だ

まだ震災が続いていますが、今回から何回かに分けて、震災地域では無いところから見た「震災から得られる教訓」について書いていきたいと思います。今回は、「人間にはムダが必要だ」というお話。世間では、「効率性」の大合唱で、大学などでも、研究室や教…