原発事故の補償は誰がすべきか

今回の原発事故での農産物、土地、病気等への補償額がいったいいくらになるのか想像もつかない。少なくとも素人目から見ても、兆の単位になることはほぼ間違いないだろう。

今後、これらの補償金をどこから出すのかということが問題になってくることは間違いないだろう。

政府は、野菜の出荷停止を指示したのは政府だから、政府が補償するというような詭弁を弄している。この文意のみに限定すれば「それは違うだろう」と思う。原因をつくったのは、東京電力なのだから、東京電力の資産を差し押さえてでも、補償の原資を確保すべきだろう。

東京電力の役員や社員の給料は知らないが、正社員はかなり高額な給与を得ているのではないか。特に、原発を推進してきた歴代経営陣は、私財を擲ってでも補償すべきだと思う。

しかし、別のコンテキストで見れば、政府が補償すべきだということになる。なぜなら、政府も原発を推進してきたのだし、国会で、今回のような災禍をきわめて具体的に指摘されていながら、東電に指導もせず放置してきたのだから。政府も責任を負うのは仕方ない。

そして、そのような原発推進の議員たちを選んできたのは国民だし、原発由来の電力を頼りに、電力を消費してきたのも国民なのだから、税金から補償金が支払われるのも仕方がない。(もちろん、原発由来以外の電力の選択肢が国民になかったといえば無かったのだが。)

残念なのは、原発に反対して電力消費を抑え、エコな生活を送ってきた住民、原発に批判的な議員に投票してきた市民にまで、原発事故の被害が及び、それにまつわるさまざまな負担がかけられることだ。