温暖化と放射能垂れ流しは海洋生物の殺戮

たまたまNHK太地町のくじら漁の番組を見ていた。
シーシェパードが地元漁民を挑発する言葉があまりに汚いので驚愕。

これをみていると、シーシェパードは、とにかく日本の漁師を怒らせ、形相で暴言を吐かせてそれを撮影し、いかにも野蛮人がやっているように見せたいのだろうことが一目瞭然だった。車の通行の邪魔をしておきながら、警察が来ると、「漁師を撮影していただけだ」とウソまでついている。さらに、隠しカメラを設置してクジラを殺すところを撮影し、それをウェブに流すということをやっている。それは、牛や豚や鶏を殺すところを撮影してウェブで流してアメリカ国民に広く見せることと同じことなのだが、そんなことは微塵も考えたことが無いのだろう。


鯨やイルカの漁の是非についてはそれぞれ見解はあるだろう。しかし、それをやめさせるためのやり方の汚さをみていると、私が日本人だからということではなく、シーシェパードの側には立てないな、と思う。(これまでの私のブログを読んでいただければ、私が、何の根拠もなく日本を贔屓することがないことはご理解いただけると思う)。


それに、海洋生物を守るというなら、温暖化によって北極の氷が無くなっていることのほうが問題だろう。クジラ漁はずっと昔から行われていたから、よほど乱獲していないならば、生態系的にも平衡状態であるはずだ。ところが温暖化はここ100年〜200年で急激に問題になっている。そして、温暖化のせいで北極のアザラシの子育て環境が悪化して、アザラシが減少しているという。このことがホッキョクグマの生態に破滅的な影響を与えているのは周知の通りだ。ご存じの通り、温暖化の最大の罪はアメリカにある。だからシーシェパードアメリカの温暖化への後ろ向きな姿勢も批判すべきではないのか。


どうもシーシェパードには、白人のすることは正しくてそれ以外の人々は野蛮人であるという思想があるのではないか、と勘ぐりたくなる。


それとともに、今回福島第一原発の事故で、大量の放射能を海に垂れ流していることは、対地町のクジラ漁どころの騒ぎではない。海洋生物全体を危機に陥れる重大な問題だ。これに対して、シーシェパードは何をしているのだろう。敷衍すれば、海外の海・湖・川沿いにある原発は危険なので、これらをやめさせる運動も展開すべきだと思うのだが、やらないのかな? やらないんだろうな。そういう運動をすると資金が集まらないしね。


このように見てくると、シーシェパードの本当の目的は、海洋生物の保護ではないのではないかと思えてきた。


ただし、クジラは重金属が貯まる深海に潜るため、肉に水銀などが多く含まれているという。プルトニウムも重金属だ。長崎の海底に大量のプルトニウムが蓄積しているという報告もあったはずだ。今後クジラなどからプルトニウムが検出される危険は増しているだろう。だから、健康上はあまりクジラは食べない方が良いということは付け加えておこう。