都知事選から見る情報弱者

若者が「老人は情報弱者だ」という発言が散見される。

今回の都知事選挙では、年齢層が上に行くほど石原慎太郎の支持率が高かったようだ。そこだけ見ると、高齢者は既得権益集団の利益を代表しているマスメディアの情報にもっとも影響されているように見えるので、当たっているようにも思われる。

都知事選の投票行動については次のサイト参照:http://orangeorange.jp/archives/15878

しかし、若者はどうか。各種データから投票に行っていない者の割合がかなり高いことが推測されるとともに、得票の多くが東国原英夫そのまんま東)に流れている。これで情報に強いといえるのか。

情報能力とは、多様な情報源から総合的に判断する力のことだろう。情報には一次情報も二次情報(以下、三次、四次、五次、、、、と無限に続く)もある。また、学校で学んだ知的な情報だって重要な情報だ。選挙が主権者の意見を政治に反映させるもっとも有効かつ効率的な手段だということは、疑いようのない事実である。

にもかかわらず、そのような重要な情報を十分吟味して生活に取り入れていない。「どうせ投票に行っても世の中変わらない」とかうそぶいて、ちょっとした時間を惜しんで自分の趣味や遊びに時間を費やしている。その結果ますます雇用環境が悪くなって、仕事ナシ->収入ナシ->遊べない、とか、低賃金長時間労働->遊ぶ時間ナシ、とかいう悪循環になっていく。

また、昔からそうかもしれないが、一次情報を確認するということが出来ていない。これは、マスメディアを信奉する年配者も、TwitterFacebookMixiを使う若者でもたいして違わない。なんとなく自分の直感に合いそうな情報を鵜呑みにして、「ほら、やっぱり自分の思ったとおりだろ! みんな同じこと思ってるじゃん」と安心することもある。また、自分と違う意見に出会ったときでも、異なる意見に対する批判意見を探してきて、批判意見の真理性・妥当性を疑うことなく、「ほら、やっぱあいつの考えは間違ってる」と、これまた安心したりする。

まず一次情報は、「どんな利害関係のある人が発信している情報なのか。情報は事実なのか意見なのか。事実を証明しているデータがあるか。」などを検証しなければならない。
また、一次情報が二次情報になるときに、どのようなバイアスがかけられて、何が削除され、何が加えられているのかを分析することが必要だ。
これらの力を形成しない限り、人々は、メディアを支配している巨大な既得権益配分集団にだまされつづけるばかりでなく、その集団にさらなる利益をもたらすことになる。しかも、自分たちの利益を損なってである。

Twitter

東京都知事芥川賞作家で日本を代表する役者の兄貴。神奈川県知事はTVニュースのキャスター。千葉県知事は元俳優・TVタレント。首都圏の首長は芸能人ばかり。その昔、「大阪はタレント政治家ばかり」と関東の人たちにバカにされたものだが、隔世の感ありですね。(笑)

というつぶやきがあったが、現代人は、芸能とパフォーマンスと政治の区別もつかないぐらいに巨大メディアに支配されているのだ。

メディアリテラシーの教育は重要だが、はたしてどうやって?