エコロジカルな支援

私も所属している教育研究団体のメンバーである岩手県の教員から、「使いさしでもよいので鉛筆や消しゴムを送って」という声が届いている。新品でなくても良いというのがいい。学校でも、筆箱を忘れた子どもたちは、引き取り手のない落とし物の中から鉛筆や消しゴムを借りたりして使っている。

それで、自分の地域の小学校のPTAに声をかけた。来週から集めたいところだ。最近は、景品や贈り物などで使い切れないほど鉛筆や消しゴムがある。机や棚の引き出しに眠っている新品も多いのではないか。こういうのは、年中使うものなので一気に送るのではなく、定期的に送れると良いと思う。有り余っているから失くしても平気な子どもたちが育っている。余っているものは供出してしまって、子どもたちに大切に使うよう教えるのに良い機会かもしれない。

いずれにしてもあちこちの被災地から同じような要望がでてくると思うので、各地の小中学校では、要らなくなった鉛筆・消しゴム・モノサシ・三角定規などをストックしておくと良いのではないかと思う。

でも被災地に送るのは大変だ。宅配便が配達してくれない地域となっている。そこで、ギリギリ届けてくれる地域の先生のところに送って、そこからは先生が自家用車で現地に届けるという。支援物資のリレーだ。全国の教員たちが、助け合いながら子どもたちの教育を支えている。

そういえば、「文房具も困っているんなら、ランドセルも困っているだろう。ちょうど卒業式がおわったばかりのタイミングなのでランドセルを送ったらどうか」と考えていたら、やっぱり同じことを考える人がいるんだね。ランドセル会社協和がランドセルを被災地に送ろうというプロジェクトを立ち上げている。集まりすぎて補修するまでの置き場がなくて募集を一旦中止するほどの盛況だ。

ほかにも、図画工作セットや書道セットなどいらなくなったもので利用できるものはたくさんあると思う。

もうひとつ。ユニセフちっちゃな図書館プロジェクトを立ち上げ、現地の子どもたちのための図書館をつくるべく0歳〜14歳向けの本や紙芝居を集めている。うちも今朝、たくさんあった絵本を仕分けしたのだが、ネットを調べていて愕然とした。

なんと段ボール2箱も絵本をつめこみ終わったとたんに、予想を上回る本が寄せられ「絵本は受付停止」との情報を知る。うちの下の子はまだ小学校4年だから、児童書は今から読むしな〜。支援にもリアルタイムでの情報収集が必要なようだ。

それにしても、これまで使われなくて家の隅に置き去りにされていたものが、宝物としてよみがえるのはすばらしい。新しい物を購入して支援する大量消費型の支援ではなく、リユース型の支援だ。支援もエコという視点でみることができるのは興味深い。